2018年6月2日(土)
「水銀のゆらぐ言」
早や6月。一昨日はパラパラと思い出したように降る雨で、道行く人はほぼ無視状態?であった。 降るのか降らないのかどっちかはっきりすれば、とこんなことでイラついてはいられない、訳 だけれども。
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国書刊行会の新刊3点が入荷しました。「水銀のゆれる言」(みずかねのゆれること)は、先週 先走ったけれど、M・エルンスト、ハンナ・ヘーヒ、シュヴァンクマイエル等のコラージュを 彷彿とさせるようなやや小判で美しい作品集です。是非。他「自殺の歴史」ロミ、、『光画』と 新興写真ーモダニズムの日本、の2点が入荷していますが諸事情で近日UP予定です。申し訳なく。
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リフォームに伴い4か月ほどの引越の準備がいまだ整わず、自室を後回しにしたので手付かず状態。 ここが一番の難関であって切り取ってそっくり移したいようなものだけれど、無理無体というもの。 ううう。どうなることやら。

2018年5月26日(土)
狂気の伝説
先々週の日曜日に友人の墓参に行き、雨の中都内某所を歩いていたのだけれど、雨脚強くコートも傘もずぶ濡れ? 状態で降り止まず。故人の無念の雨だったかと思い至ったような日であった。
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まだ開いてもいない本のことをあれこれ言えるはずもないのだけれど、新刊「水銀のゆらぐ言」柿沼裕朋著、 50点ほどのコラージュと物語で描き出される不可思議な世界、全96頁オールカラー(宇野亜喜良氏推薦!) との由。早速に入手しなければと少々焦り気味なのでありました。「一九六八年の「狂気」」というコラムが ちくま6月号にあり、(絓秀実氏)中野幹隆という特異な編集者の仕事について書かれている。また、 「1968 文化/文学/漫画」全3巻(四方田氏他編、筑摩書房)が完結したということもあり、伝説の狂気 とは、またその行方はいかにというミーハー的興味あり。
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ということで、7月より4か月ほど引越するという事態になり、業務縮小というか、新刊以外のリスト上の ものなどは時間がかかりそうであります。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願い申し上げます。

2018年5月12日(土)
遺品整理
今週はずっと雨が降りつづき、気温も3月下旬位まで下がってしまい、連休中の“さわやかな五月”は 開幕したとたんに頓挫した芝居?のような有様。ということで消沈している暇もなく整理作業はつづく。
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以前はかなりしつこく探してみつからなかった家の建築時の見取図とか関連書類が出てきたり、故人の 撮りためた写真がそれこそ山のように発見!されて処分に躊躇するし、趣味の楽器や類書等々、つまりは 遺品整理をおろそかにしたツケが廻ってきているということで、区切りをつけるとはなんと残酷な行為で あることかと思い知るこの頃。本や手紙類は読んだら即捨てる、という冷血無比?なひとがいて、そんな 殺生なというかぐずついた性格の者には到底真似などできない訳で、かといって余計なものばかり増える のはいかがなものか。
あるフランス映画で、壁面一杯の書棚からそこそこの量の本が抜かれていて(離婚した夫が自分の本を 持ち去った)、○○がない!と叫んで怒る妻、という場面がなぜか思い出された。つまり背後にはいつも 守護神?のような彼等(本ですね)がいてくれないと、まあ生きている間だけでも、という気がする のだった。ううむ。
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<雑誌>の最終頁に<ブルータス特集>をやっと作成してみました。すべてはブルータスから始まったー という気がするほどテーマ性に富んでいて刺激的な誌面作りをなつかしむ、というのはいかがでしょうか。 掲載以外の在庫も多数有ります。

2018年5月5日(土)
HP更新は近日中?
朝刊に、“せめて本で、どこかへ出かけよう”というタイトルの新刊紹介の記事があった。この時期 どこかへ出るくらいなら読書に没頭する、という変人?はまだそこそこいるということか。
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早稲田文学春号と、川上未映子氏の新刊、「鳩の撃退法」文庫上下巻、「グレートスモーカー」ー歴史を 変えた愛煙家たち(祥伝社新書)、日影丈吉 幻影の城館(河出文庫)、等の比較的新刊を読み散らかして はいるけれど、気になるのは「ロートレアモンのパリ」出口裕弘著で、−「マルドロールの歌」から 透けて見えるのは、生身の人間というよりも、夜を日に継いで、火花のように言葉を吐き散らす怪物 のイメージである。(中略)ロートレアモン=イジドール・デュカスとは何者だったのか。ーイジドールの 歩いたモンマルトルの通りなどをめぐるパリ日記など、度々読み返したくなるような磁力を感じてしまうの だった。
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ということで本日も晴天なり。いまだ30%くらいしか進んでいない解体・整備作業に励む日々であります。 HPは一向に更新できず、近日中に何とかしたい、しなければという葛藤の只中、、。ううむ。

2018年4月28日(土)
休日の効用
毎年のことながらゴールデンウイークに出かけたことはなく、連休をこれ幸いとばかりに日頃の穴埋め作業 (ほぼやりかけの仕事の続き)に費やすということになるのだった。録画を消化する一日というのも 勿論忘れはしないけれど。
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定本夢野久作全集第4巻が入荷しました。「ドグラ・マグラ」「近眼芸妓と迷宮事件」など全五編を収録。 着実に刊行されるのはありがたいことではあります。また、先日、落穂舎さんの古書目録が届く。探偵小説 特集ということで、乱歩を筆頭に一大パノラマともいうくらいの貴重な収集力に圧倒されるばかり。ううむ、 と後ずさりしながら消えてしまいたい心境?にもなるというもの。
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屋内整理もいまだに山の麓状態で、大小の食器のセットやガラスケースの人形、曰くのありそうな額装もの (輪島塗の富士山とか)など、故人の思い入れの産物をどう処分したらよいものやらー途方に暮れるー とはいいながら、時との戦いで敗れそう?な気配。

2018年4月21日(土)
「金井美恵子なんかこわくない」
温度差の激しい昨今、今日明日で7月並みの気温になるとの由。ほとんど室内での解体?に近い整理作業 に没頭していると、さほど感じずに過ごしてしまう。昨日は買物に行き、さすがに暑さを実感。最近自転車の後輪が パンクしたので徒歩で出かけ、体力をつけようとは思うものの疲れ果てて帰宅したのだった。やれやれ。
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やっと刊行された、早稲田文学春号「金井美恵子なんかこわくない」。デビュー50周年記念特集とのことで、 元気そうな表情のカバー写真に見入ってしまう。1968〜2018全表紙総覧に喜び、丹生谷貴志氏インタビュー を読んだところで、あとはじっくりジワジワと侵食するように読んでいきたいような、まあこわごわと、 だからつまりいいタイトルかも。欲をいえばもう少し濃い(?)方々も、、という気がしないでもないけれど 、ううむ。
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挿絵
ということで、久々に出会った路上でたたずむキジトラ君。
退屈しのぎ?に居座ってくれたので数枚を撮ってみました。ついでに看板猫にも。やりすぎか。





2018年4月14日(土)
「マルドロールの歌」展
今月はアクシデントや何やらで対応に苦戦?というか、以前ほどの物事に対する適応力が失われつつある という結果になり、従って週末に(とりあえず)せめて日記などという目論見もすっかり宙吊りになったの だった。加えて身体的不具合が指先や目などの起きてうっとおしい限り、というところであります。
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ということで、マイナスイメージの春先の中、ナディーヌ・リボー「マルドロールの歌」展(シス書店) 初日へ行ってきた。(4/22迄)午後6時頃から来日した作家の朗読があり、エディション・イレーヌの 松本氏が翻訳及び解説を行うという趣向。モノクロームの比較的小判のシリーズなど、ロートレアモン (イジドール・デュカス)への思いがあふれる作品の数々。その後二次会で松本氏に伺った話として、 「マルドロールの歌」の訳者は栗田勇氏をはじめ7名もいる!との由。そこまで把握できていなかった 当方としては興味津々。翻訳裏話?を聞くことができてとても有意義でありました。(中でも、出口裕弘氏の 訳(一部のみ)が突出しているとのことで、全訳とはいかなかったのが残念と思うばかり)
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久々に新刊入荷しました。イタロ・カルヴィーノ短編集「最後に鴉がやってくる」。国書刊行会の 短篇小説の快楽第5回配本となります。いかがでしょうか。
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