2017年9月23日(土)
臨時休業
昨日は午後3時前後に唐突に雨が降り、小雨になったところで出かけたら、帰宅時には結構降られた のだった。何とかと秋の空ということで、落ち着かない天気がつづきます。
-----------------------------------------------------------------------
藤富保男氏が亡くなった。(9月1日、転移性骨腫瘍にて、享年89歳)北園克衛、エリック・サティ、アメリカ 現代詩等の造詣が深く、かつては何度か朗読会、演奏会等にお誘いいただいたりしたのだった。 何より、あざみ書房を興し幾多の詩集を制作してこられた。詩人たちにとってはかけがえのない後援者 でいらしたと思われる。ご冥福をお祈りいたします。
-----------------------------------------------------------------------
ということで、私事ながら月末27日より来月10日くらいまで、臨時休業とさせていただきます。 事業所を離れるので発送作業はできないのですが、メールでの対応は何とかできそうです。 いま頃夏休みかというとそういう訳でもなく、気の重い休暇となりそうな気配であります。 悪しからず、お許しくださいませ。
---------------------------------------------------------------------------
挿絵

目が開いているのか、というような黒猫と
隅っこで馴染んでいる? いつもの二匹。









2017年9月16日(土)
したたかさの本質
台風18号が接近中。ゆっくりと侵食するみたいなやり口はどうにかならないものかと思うこの頃。
-------------------------------------------------------------------------
ということで、先日「ELLE]エル 2016年仏 ポール・ヴァーホーヴェン監督、を観に行く。毎回しみじみ 思うのはスクリーンの迫力ということで、平日昼間の回は女性が多く、男性一人だと端の席にチラホラ だった、とつい観察してしまう。この作品はやはり主演のイザベル・ユペールに脱帽するしかない映画で、 最早彼女のための映画といってもいいくらいなのでは。ヴァーホーヴェン監督79歳、スタイルは変わって いなくてちょっとくどい。うむむむと唸るくらいのしつこさがある(ヒロインが暴漢に襲われるという冒頭の シーンが形を変えて何度か繰り返されるのだ)。知的で洗練されたとか、横暴で不遜、痛快、鋭利な感性、 怪演、劇薬的とかややオーバーな讃辞があるけれど、特異な環境のなかにあってあくまで自然(天然自然の 対極の性格であるとしても)な“女性”としての存在感を納得させられるような作品、したたかさの本質 を実感?できるような映画、なのではと思った次第でありました。
----------------------------------------------------------------------------
ということで、大した仕事もできないまま、急な事情ではありますが今月下旬より臨時休業となる予定 です。(10日ほど)詳細につきましては後日お知らせいたします。

2017年9月9日(土)
“jeu”としての出版
やっと快晴の今日この頃。先日、都内某所へ出かけた折、有楽町が近いので所用が済み次第「パターソン」か 「ELLE」を(開始時間をチェックして時間に見合う方を)観るつもりでいたら、所用が思いの外終わらず、 延々と待たされる羽目になり断念してしまった。かえすがえすも残念。
-------------------------------------------------------------------------
先日「風から水へ」を読了したところだったので、今朝の朝刊の広告に水声社が出ていて思わず嬉しく なってしまった。出版界の荒波によくぞ立ち向かって下さいましたという感慨。インタビュー形式とはいえ 、大学の同人誌活動時代から出版界へ、取次正味問題や再販制の問題、図書館の購入状況、製作原価の 提示等々、とても興味深い内容でありました。設立趣意書(1981年)にある、“jeu”としての出版。 言語を問い、言語と戯れること。が印象的でありました。
-----------------------------------------------------------------------
ということで、<限定本/稀少本>に1点追加しました。朝吹亮二「密室論」初版です。画像の表示などは <書籍紹介>でご参照ください。

2017年9月2日(土)
無愛想な猫
早や9月。左の奥歯が急に痛み出し、それに呼応するかのように偏頭痛が起きていて、うっとうしい というか腹立たしいというか苛立つこの頃。
で、つい手に取り凝視してしまうのが武田花氏が撮るのら猫たち。「猫・大通り」2007年刊。全頁 モノクローム、うらびれた路地や空地、廃屋、人気のない階段や塀の上でたたずむ猫たち。上目遣いで 睨みつけたり、草むらや縁側で寝ていたりの自然体が何度見ても飽きることはなく、無愛想で媚びない彼らに 癒されてしまうのだった。
ということで、体調不良気味を言い訳にしてまたしてもビジュアルでごまかす算段ではあります。
------------------------------------------------------------------------- 挿絵

玄関先でパッと咲いたハイビスカス。どうだ、、というかんじ。
それと、マンションの路地でくつろぐ黒猫。なんですか?、というかんじ。








2017年8月26日(土)
書店ゼロの街
蒸し暑い日がつづいて、夏バテ&寝不足状態のこの頃。出先で驟雨に見舞われることもたまにあり、 かまわず走ったりしているうちに嘘のように止んでしまい、何事もなかったかのような夏の午後、なので ありました。
-------------------------------------------------------------------------------
8/24の朝刊1面(朝日NP)に、“書店ゼロの街 2割超”という記事有。書店ゼロの自治体の数が年々 増えており、長野、奈良、福岡、高知などは二桁で、埼玉は9という数字。(ちなみに0は香川県のみ) 大学で経営学を学んだ息子は「将来性がないと思った」と、家業の書店を継がなかった、という話など、 どうなることやら。ううむ。
ということで、ここ最近「新装版 角砂糖の日」の問い合わせが増えています。大手書店ではすでに販売 していないようですが、当方には在庫有ります。よろしくどうぞ。
-------------------------------------------------------------------------------
久々に<書店紹介>を1点UPしました。ヤン・シュヴァンクマイエルのアリス2点。この大胆不敵な コラージュもまた、合田さんと比肩するするような威力ありかと。いかがでしょうか。

2017年8月19日(土)
光へ向かう旅
すっきりしない天気がつづくこの頃。お盆の15日午後、車で墓参りに出かけたのだけれど、集中砲火的? 豪雨に見舞われ水しぶき(車洗場みたいだった)の中たどり着く。寺の境内にはそれでも人出が多かった のだった。いやはや。
-------------------------------------------------------------------------------
昨日新刊1点入荷。「SAWAKO GODA」合田佐和子 光へ向かう旅。没後初の作品集ということでファン ならずとも思わずのみ込まれ(?)そうになる(まあちょっとオーバーですが)位の迫力に満ちている。 ーかわいくて無惨でアナーキー(巖谷氏)な合田ワールドを堪能できそうであります。まあできれば画集 として出して欲しかったなあ、と嘆息。
--------------------------------------------------------------------------
ということで、スタニスワフ・レムコレクション全6冊完結記念の、レムとの遭遇ガイドブックを入手 しました。ご注文の方にお付けいたします。

2017年8月12日(土)
絵のある石
荒天が続いていて落着かないというかげんなりするようなこの頃。
澁澤龍彦没後30年展 第T部「石の夢」(シス書店)を見に行く。パエジナ(イタリア語で風景の意味)という 石灰岩の「絵のある石」の展示はめずらしく、自然(不規則な断層線)が描いた風景画とは一体、、。 ミケランジェロをはじめ澁澤龍彦やアンドレ・ブルトンが夢中になったのも頷けるというもの。 時空を超えた夢の話、なのかも。興味のある方は是非(8/20迄)
--------------------------------------------------------------------------------
ということで、天候不順の中ノラ猫たちは、地べたに伸びてみたり、庭先で三匹の睨み合いが始まったり といろいろなので、一挙掲載。

挿絵

2017年8月5日(土)
追悼・ジャンヌ・モロー
いまにも降り出しそうな空模様であったのに、降らず。かと思うと朝からパラッと気まぐれに降ったりとか 油断のできない思わせぶりな天気のこの頃。
---------------------------------------------------------------------------
7月31日、ジャンヌ・モロー、自宅で死去、享年89歳。とうとう亡くなってしまったかという感慨。 カンヌ映画祭女優賞はもとより、1960年代ヌーヴェルヴァーグの象徴的存在で、彼女抜きには映画は語れない 、、、と思われる。

挿絵


ルイ・マル「死刑台のエレベーター」トリュフォー「突然炎のごとく」
「黒衣の花嫁」アントニオーニ「夜」ジョセフ・ロージー「エヴァの匂い」
オーソン・ウェルズ「審判」..。 で、やはり一番印象深いのはブニュエル
「小間使いの日記」か。1999年、リュック・ベッソン「ニキータ」での長老?
のような存在感も忘れ難い。まだまだ連鎖反応的に出てくるはずが、
いかんせん走馬灯のように点滅しながら流れ去るのを止められず....
ううう、情けないことはなはだし。

--------------------------------------------------------------------------
ということで、新刊「密室論」朝吹亮二詩集、が入荷しました。グレイとピンクによる絶妙な配置が 美しい装訂(金澤一志氏)は、繊細なエロティシスムとも言えそうな詩集に、みごとにマッチしている のではと思われます。いかがでしょうか。


2017年7月29日(土)
いつの間にか高騰
ここ数日、曇り時々雨というすっきりしない天気が続き、梅雨明けしたはずなのにとつい愚痴っぽく なる。熱帯夜、熱中症からの解放?とはいかないけれど。
------------------------------------------------------------------
ということで、先日必要となったある古書を検索。思わず絶句。1万5千円也、1点のみ。あちこち探して みても価格は大差なし。ううむ、2年ほど前に1/5の価格で販売した記憶があり、その前にも数回扱って いる本で、それほど入手困難ではなかったはず。なのにいつの間にか高騰していた、、、。ということ で、あちこち錆び付き感?のあるわがHPでもよおく見ていくと掘り出し物があるかも。ま、そんな 暇はないわけではありますが。
新刊「風から水へ」ある小出版社の三十五年、鈴木宏著、を最近入手。水声社社主鈴木宏氏の著書で なつかしい書肆風の薔薇時代の書物を思い出したりして、純白と形容してもいいほどの白い本の 頁をめくる、、のでありました。
----------------------------------------------------------------
今週水曜日に新刊入荷。レム・コレクション6回配本最終巻ということで、全6冊完結。やれやれ。 チャールズ・ラムの「エリア随筆」も、正続各上下卷で全4冊完結となりました。いかがでしょうか。
ハッと気付けば(嘘っぽいけど)7月ももうすぐ終わり。綱引きで常に引きずられて負けてしまう、 みたいなズルズル感はやめにしたい夏!ではあります。

2017年7月22日(土)
アナーキズムの行方
雨は降らないまま20日に梅雨明けとなった。昨日は37度の猛暑日でこのままどこまでゆくのやら、 と水不足が深刻になりそうな気配であります。ううむ。
-----------------------------------------------------------------
先週の土曜日、「シュルレアリスムとアナーキズム」というタイトルのトークイベント(塚原史氏と 松本完治氏)へ行ってきました。昨年の、アニー・ル・ブラン来日講演を読み解く、というもので、 新刊の来日記録を読んでみてもなんと精力的な方であろうか、と驚くばかり。また、塚原氏の、 ツァラとブルトンの違い(ということはダダとシュルレアリスムの違い)についての見解など興味深い ものがありました。
--------------------------------------------------------------------
ということで、先日発行した目録ははかなくもというか、花火のようにパッと上がって散った?かんじで ありました。ごく少部数にして年内にもう一度くらい出せるか、、と思案中であります。無理かも。 まあ準備を怠りなく、ということではあるけれど。
それと、スタニスワフ・レムコレクションの最終巻が近日刊行予定ということで、週明けには入荷の予定と なっています。よろしくどうぞ。


2017年7月15日(土)
目録33 出来
午後より雷雨という予報が数日続き、結局1日も降らずというこの頃。集中豪雨に見舞われた(九州地方など) 方々の早い回復を願うばかりであります。
------------------------------------------------------------------------
年1度(しか出せない、、)の目録がやっと出来上がり、いざ印刷へと思ったらなんと用紙不足。(カラー用紙 が足りず白のコピー用紙を代用するハメに)しかも印刷中にインクが切れてしまい、買いに走るというアクシデント 。さらに、ラベル印刷がなぜか反応しなくなり、以前に刷ったものを出して補充するも足りる訳はないので 手書きに、というはなはだしい準備不足!にて予定はジワッとのびたのでした。何とか今週火曜日に目録発送、 16日(日)締切抽選、18日より発送ということに。ひと頃より半数位の少部数となっていますが、ご希望の方は お申し付けください。注文状況としては集中してしまったものあり、今更ながらの知識不足を反省しつつ、(悩める) 抽選となりそうであります。
-------------------------------------------------------------------------------- 挿絵

ということで、地面に伸びたまま寝ている夏バテの猫はうまく撮れず、今朝方わが家に来ていた猫をパチリ。







2017年7月8日(土)
人生を変える企て、、
蒸し暑い日々が続きます。道を隔てて向かいの家は数年間空き家となっていたのだけど、親戚筋が建て直し を決意したとの由。空き家の間にネズミが居ついたらしく、家を壊した時点でネズミが四散する!かもしれず、 この時ほどノラ猫たちを手名付けたい心境?というか、ちょっと怯えてしまうのだった。
-----------------------------------------------------------------------
ということで、エディション・イレーヌさんの新刊「シュルレアリスムと抒情による蜂起」が入荷しました。 昨年のブルトン没後50年記念イベントの全記録で、シス書店での展示作品(カラー図版収録)と、ブルトンの テクスト2点(詩篇「三部会」の新訳と解説、前之園望氏)また、来日したアニー・ル・ブラン氏の滞日記録 (松本完治氏)など、興味深い内容となっています。表紙装画はトワイヤン。(税込3,110円) 目録発送 直前に届いたので急遽掲載のあれやこれやで慌てふためく?この頃ではあります。あと数日かかりそう。
-----------------------------------------------------------------------
「ダダ・シュルレアリスムとアナーキズム」というタイトルのトークイベントが15日に開催(塚原史氏、 松本完治氏、シス書店にて)されるとのことで、参加してこようと思っています。アニー氏の来日講演での言葉 、「人生を変える」企てというシュルレアリスムの本質を忘れてはならない。

2017年7月1日(土)
ダリの遺体
早や7月。梅雨の只中、雨模様の日々で蒸し暑く、意気消沈、気力減退とマイナス思考に陥るこの頃。
-------------------------------------------------------------------
今週火曜日の夕刊に、「巨匠ダリの遺体 掘り起こし命令」というショッキングな記事があった。何事かと 読んでみると、ダリの娘だと主張する女性(61歳)の訴えをDNA鑑定で検証するためとの由。1989年没 なので死後28年もたってから掘り出されるということか。その女性は霊媒師(!)とのことで遺産相続 目当てということらしい。死後にもなお金銭トラブルか、とブルトンは失笑しているかも。ダリらしい騒動 かも。
--------------------------------------------------------------------
ということで、アクシデントの多かった6月(玄関先の外灯が突然切れたりとか家人の事故とか)が過ぎて、 夏気分も高まりつつあるとはいえ、目の前の課題は一向に減らず。非日常のワナ(って?)に嵌ることなく すぎることを願うばかり。

PS:「アピエ29号」が本日夕方入荷しました。表紙絵(山下陽子氏)がシックに(不気味に)仕上がっています。 全集版の編集者の方の寄稿あり、いかがでしょうか。
inserted by FC2 system