2011年3月25日(金)
節電
午前11時過ぎ、郵便局のATMは長蛇の列(といっても7〜8人)ができている。普段は5人く らい並んでいただけで他へ廻るのだけど、この非常時ゆえ待つことにする。そのうちに隣 のご婦人(6〜70歳代)に話しかけられる。「ほら、あの蛍光灯は全部点けなくても良さ そうよね」「ああ、そうですね」「このドアも開閉の電源切っちゃえばいいのに」「節電 できそうですよね」、とか、節電話に花が咲いたのだった。

左川ちか全詩集<別装版>限定100部が着々と進行中のようです。表紙に使用するオリジナ ル・マーブル(革装)がフランスより届いて、梳きが始まっているとの由。ご予約いただ いている皆さま、もうしばらくお待ちくださいませ。

2011年3月18日(金)
停電
計画停電が続く。下準備はしていたものの、実際夕食時の停電を経験すると、明かりの必 要性が身にしみる。翌日に近くのスーパーで、懐中電灯と蝋燭はないですよね、と念押し のように聞いてみると当然という顔つきで深く頷かれてしまった。上の階にある百円ショ ップをのぞいてみると、2〜3種類の懐中電灯が入荷したらしく人集りがしている。ただし 電池は在庫なし。家にある電池で使えるものが1点だけあったので購入する。

本日の古書展行きは断念。電車が完全には動いていないことから、家人に反対される。 仕事にはならないでしょう、と言われればそれまでだけど、仕入れは時の運でもあり遭遇 のチャンスは逃したくないのだけれど。しかしこの際、やるべきことはいくらでもある、 わけなのだった。

2011年3月12日(土)
東日本大震災
昨日は、新入荷用の本を数冊、更新すべく大判の本を見ているときに地震にあった。土曜 日(本日)にシュルレアリスム展へ行くつもりでせっせと仕事をしていたわけだけれど、 当然のごとく書棚が崩れ落ちた。揺れがきたときはあわてて階下へ逃げたので、あとで戻 って惨状を目の当たりにし呆然自失。書棚は4本のうちの1本のみだったとはいえ、すべて を元に戻すにはかなりの労力を要する。別棟の倉庫はというと、棚の上に積み上げた本が 半分ほど落ちていて足の踏み場もない。むむむ、時間をかけて修復するしかなさそうであ る。
岩手、宮城など東北方面の方々の無事を祈るばかり。

2011年3月4日(金)
書店めぐり
高円寺へ仕入れに行く予定が、様々な障害?にあって断念。もう少し近ければと今更なが らの愚痴ではあります。
家人の確定申告のために近くの区役所へ。半年ぶりくらいに通る途中の沿道には、ブライ ダル御殿?のようなシャトー風ではなくホテル風の建物が出来上がりつつあり、その先に は新たなホームセンターが今月中にオープン、とある。むむ、いつの間に。冬眠から目覚 めるとあたりはすっかり様変わりしていた、みたいな、、。
午後から大宮へ。三省堂では東野圭吾の新刊が円筒形(軍艦積みと勝手に呼ぶ)にドーン と積まれ、料理器具やらBAGやらの付録つきの雑誌が巾を利かせていて呆然。太陽の岡 本太郎特集をパラ見して呻ってやめる。その後、駅ビルルミネにブックファーストがオー プンしたというので見学。高い棚の並びはジュンク堂方式か。棚巾が狭めで、1本分の外文 を見るのに反対側の経済書を見ている人を迂回しなければならなかった。雑誌やコミック の棚も混戦模様。あまりにもルミネ仕様で、ターゲット限定の感ありあり。数年前までは 新栄堂書店があって、その棚構成などを思い出してしまうのだった。

2011年2月26日(土)
早や月末
アピエの新刊18号が本日入荷しました。先週ともども更新日に入荷という幸運!?に恵ま れたのでした。
鮮やかな黄色い表紙が目につく今回のアピエは、山本善行氏の連載も始まり、充実度の増 す誌面構成となっています。村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』への言及が 多いのは当然としても、野崎孝訳のライ麦〜をタイトルに挙げていtるのに共感。お薦め します。

先日、古書目録にブログ(数年前のものから転載)の日記が数頁プラスされたものが届く 。目録は置くとして、この古本屋日記がとても面白く読めてお手本のようだった。ならば と、ネットのブログを探してみたけれどどうも読みにくい。あちこち“窓”がありすぎて うるさいというかなんというか。読む気が失せたのは言うまでもなく。活字の有難さを再 確認した次第。ということでわが日記も少しは反省してみたらどうなのか、とは思いつつ 保留箱の中へ。う〜む。

2011年2月19日(土)
過激なアリス
ヤン・シュヴァンクマイエルの“アリス”2冊は、エスクァイアからの新装版との由。序 文には、夢という王国の物語として触発され、いくつかの映像作品を生み出したとのこと 。やはり『アリス』を思い出さずにはいられない。ジョン・テニエルへのオマージュとい う作品はシュルレアリスティックに展開されていて、テニエル描く帽子屋やチェシヤ猫の デフォルメ的変貌はいかに、、といったところで、大判、カラーでこの価格ということも あり、是非にとお薦めいたします。挿絵 『ミステリウム』は、奇想現代文学ミステリ(?)と帯背に書かれていて、帯文には、 −ひときわ生々しく、奇怪であるーという柴田元幸氏の推薦文有。
そして冒頭には、−これまで出会ったどんなものともちがう奇妙なにおいがせず、紙と製 本のにおいしかしなかったあなたは、もう手遅れかもしれない、、(概略) という書き 出しで引き込まれるかも。こちらもお薦めいたします。

2011年2月19日(土)
覚え書
月曜日のことを今頃書くのもナンですが、新宿古書展(古書会館)へ。リブロ池袋店の古 書展ものぞくつもりが出遅れ(午前中の雨で、1箱分の送りを運べず集荷待ち。1箱という のはある出品ものであって売り上げにはあらず。言わずもがなだけど)に付き、断念。新 宿展は、4〜5点の事前注文分がすべて当たっていて喜ぶ。S書店さんは、だいぶ集中して 困った、という話をしてくださった。有難き哉。調子にのって少し多めに抜く。目録を作 らねばと痛感するものの、いまだ白紙状態。ううむ。

木曜日は、家人の定期健診の付添でほぼ一日が過ぎる。ちょっとした異変に対する対処法 (予約等の手続き)にはとにかく時間がかかるのだった。脱力して帰宅。

2011年2月11日(金)
アマゾンで雑誌
雪の予報が当たって、というか前々々日くらいからやかましく聞かされていたせいで驚か ず。雪国の降雪を思えば吹けば飛ぶよう、かも。
そうはいっても一段と冷え込んで家の中の温度差もかなりあり、こういう日に限って食品 の宅配やら宅急便の配達多し。二階から駆け降りる(というほど早くはなく)こと、4〜5 回で冬籠りなどするなという謂いかも。
ズルズルと外出しない日が多いもので、ある月刊誌をアマゾンで注文してしまう。送料な しで届くという便利さ、となるとこれでは書店が苦しくなるのは当然か。少部数しか入ら ず1〜2週間もすると店頭から消えるものと分かっているとついこちらへなびくかも。悪循 環だと騒ぐ前にちゃんと書店へ行くこと、が肝要。

2011年2月9日(水)
出不精
シュルレアリスム展(国立新美術館)、北川健次展(シス書店)、池袋リブロ古書展、が 各々本日が開催日なのだけれど、どちらへも行けず。
北川健次展は、十面体ーメデューサの透ける皮膚のために、という魅惑的なタイトルがつ いていて、新作ミクストメディア、版画、オリジナルによる展示との由。期間中(2/27ま で)には何とか見に行きたいところではあります。
なぜ行けないかというと、相変わらずの山積み課題が一向に減らず、確定申告とかも手つ かずで残っており、気力体力も衰え中で回復せず。う〜む。

2011年2月5日(土)
箱の魔術師
エルンストの「百頭女」がきっかけだったという<箱の魔術師>ジョゼフ・コーネル。教 会の活動家であり、勤勉な生活を貫き清貧であるという幻想に魅了されていたという。
(かなりイメージが狂いますが)
著者は、ジャクソン・ポロックの」評伝も書いている美術評論家とのことで、“シュルレ アリスム”に対しての偏見的言及が結構あり、コーネルとの相違点?を煽っているいる風 でもある。モノクロの写真図版28点。しかし、できればカラーの口絵が数頁欲しかった。 とはいえ、ほぼ500頁にもなる評伝は、気になるところであります。是非。

2011年2月4日(金)
記憶力減退
定期健診のため外出。ポストに投函すべき書類を玄関先に置いておいたにもかかわらず、 忘れる。やれやれ。
いつもの血液検査をするべくカードを差し込むと戻ってしまい、予約されていないとの由。 すったもんだ(というほどでもないにしろ)の末、結局検査をして待機。待ち時間の間、 目録を数冊みるが食指の動くものほとんどなし。読みかけの文庫を読み、PR誌をチェッ クし、ひかり回線のパンフを見たりして過ごす(気になるものはいろいろ持ってくるわけ です)
このところ思い出そうと努めていること、、ある映画のタイトルとヒロインの名前、、、 周辺から固めるべく監督名、時代背景、ジャンルと巾を広げても一向に出ず。確認する本 の所在は分かっているものの、その前に何とかならないものかと足掻きつつ、無駄な抵抗 はつづく。

2011年1月27日(木)
マルチ・クッション
月末の雑用で大宮へ。寒いので早々にと思いつつ、書店の中は別空間というか、探し物が あってぐるぐると見て廻る。芸術新潮 特集:シュルレアリスムそうだったのか宣言、今 どきはこーゆータイトルになるわけ? で、その隣にC・イーストウッドの渋い顔の表紙 が並んでいて、ブルータス「男の作法」憧れの大人になるための、164のヒント、だって。 下にズラッと並ぶ名前を見ていていまいちだったのだけど、イーストウッドの磁力!に負 けて購入。文庫をいくつか。「センセイの書斎」イラストルポ「本」のある仕事場 内澤 旬子著、を発見して即購入。このイラストがたまりません。
ここでちょっとお茶をして、パラパラと読んでいるうちに買い物を思い出し、ビックカメ ラへ。
家人のための足温器をみるべく広い店内をうろうろしたけどなくて、その辺の人に聞いた らフットバスを案内されて、ないのか、、とあきらめかけたらやっと1点出てきた。マルチ クッションという電気毛布の座布団版みたいなもので、両足を突っ込める穴が開いていて 行火にも使えるというもの。足が冷えるために、ガスストーブとエアコンと両方を稼働さ せるという暴挙?をくい止める手段として、果たして有効だろうか。

2011年1月21日(金)
久々の仕入れ
五反田遊古展へ。何と久々の古書展。すでに午後という時間にもかかわらず、1階は大賑 わい。通路際の台の上(下にも)に並べられた本を素早く見ていると、車が背後を通るの も目に入らず、というか無視状態。入口付近に目ぼしいもの多し、しかし状態はあまりよ くないので呻りつつ4〜5冊抜く。映画雑誌とぴあの山10冊くらいで1500円!をチェックし てやめる。うーむ。
2階へ。家人の迎えの時間(デイサービスの帰宅は5時過ぎ)に間に合わせるには1時間く らいしかないのだけれど、久々のせいか切迫感のせいか安めのものをどんどん抜く。探し 物がまあいいかというもの1点。アンリ・ボスコはしばらく呻ってやめておく。値段と状 態の尺度?に合わず。帰りの電車内で買上げリストを書き出してみるも、数点は思い出せ ず。情けない。
大宮で備品の調達にハンズへ寄る。ないと困るもの2点を購入。即帰宅のはずが隣の丸井 のバーゲンに吸い寄せられてついつい散策し、あわてて帰宅。やれやれ。果たして間に合 ったのか、どうか。

2011年1月15日(土)
葬送
寒い日が続いていて、心身ともに緩慢気味であります。
左川ちか全詩集はコンスタントに動いていて、さすがというか、どこかで誰か(新聞紙上 で村上春樹が、とか)の推薦文でも載ればすぐにでも売れてしまう、のではとも思われ、 しかしそうそうメジャーになるわけもなく、もしそうなったら困る?気もしているこの頃。
お向かいの家の、家族葬という、近隣の人たち2〜30人で棺を見送るのみという弔いがあっ た。不意打ちの決別にとまどうばかりであった。

2011年1月14日(金)
宙吊りの映画
又もや仕入れをパスしてとても久しぶりに映画館へ。ゴダールとハネケを何とかクリアで きないものかと画策?してみたものの現状では無理なので、本日最終日というハネケ『白 いリボン』を観る。(銀座テアトルシネマ) 2009年ドイツ映画、2h24m、モノクロームの 美しい映像、1930年代の小さな村での出来事。一家族で4〜5人の子供がいたりと、とにかく 子供が多いのでうっかりするとどこの子だっけ、となる。いかにもドイツ的顔立ちの少女や 青年、男爵、牧師、ドクターなどの登場人物。村で不可解な事件が続き犯人は一体、、とな るのだけれど、『1900年』のベルトリッチのカタルシスもなく、ハネケはあくまでも寡黙。 というか冷たい視線にさらされつつ観る者の想像力が試される映画、かも。安直な感慨など 求めてはいけません。ただ、突然の幕切れに胸を突かれる、という体験はめったにできるも のではなくて、『ベニーズ・ビデオ』あたりからハネケにのめり込んでかなりの作品を観て いるのでそういう目?ができているせいかも。見ごたえあり。

2011年1月8日(土)
希望的観測
あけましておめでとうございます
遅くなりましたが、本年もよろしくお願い申し上げます。

年頭から(またしても)言い訳ですが、家人の病院通いの付添が続いたのと、ご注文下さる 方が(当方としては)多めということでその対応(まあ探しまわるということで)にあたふ たしたことなど。また、ある急ぎの仕入れの為、数件の注文をメール、FAX,TEL,で 各2件行った(実験ではなくあくまでも成り行き)ところ、FAX注文の場合が一番早く届い たのでした。メールはやはりメールソフトのアドレスがないとやりにくく、TELでは書名 等の詳細事項を伝えるのに1度では済まず、書いて(打込んで)送るという手間を惜しまなけ ればよいのだ、という結論か、ううむ。

ともあれ、今年は少しずつ“動く”ことを目指したいと思っております。DVDから映画館 へ、書籍から旅へ、とか、まあ希望的観測ではあるけれど。
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